昨今、和モダン部屋があるホテルや旅館に注目が集まっています。
多くの人から注目を集めている理由は、和モダン部屋にはノスタルジックな雰囲気や非日常、お客様の心と体の癒しを提供する力があるから。
魅力ある和モダン部屋は、お客様を虜にし「また来たい」と思わせます。
そんな魅力的な和モダン部屋を作り、お客様に提供したいと考える人は多いのではないでしょうか。
- 和モダン部屋の作り方が分からない
- 元々ある和室を生かした和モダン部屋を作りたい
今回は、上記のお悩みを持った方に向けて、和室をおしゃれな和モダン部屋にするコツを紹介します。
ホテルや旅館にお越しになるお客様がくつろげるような、和モダン部屋作りの参考にしてください。
ホテルや旅館の和モダン部屋が人気上昇中
ホテルや旅館の和モダン部屋は、日本だけでなく海外からも人気です。人気の秘密は、和モダン部屋の魅力にあります。
和モダン部屋の魅力は以下の4つ。
- 高級感がある
- どこか懐かしいノスタルジック感が味わえる
- 障子や襖など和の雰囲気が気持ちを穏やかにしてくれる
- 日々の忙しい生活から解放され癒される
和ならではの趣と現代的モダンインテリア家具が調和した、風情ある使い勝手の良い部屋だからこその多くの人から支持され、評判になるのでしょう。
和室をおしゃれな和モダン部屋にするコツ4つ
お客様に「また、この和モダン和室に泊まりたい」と思われるような部屋を作られたら嬉しいですよね。
実は、おしゃれな和モダン和室を作るにはコツがあります。ここでは、以下の4つに絞って解説します。
- ベースはアースカラーにする
- モダンテイストの家具は背の低いタイプで揃える
- 自然素材で作られているインテリアがおすすめ
- 和の雰囲気と相性の良いデザインを選ぶ
ぜひ、これら4つのコツを和モダン和室を作る際の参考にしてください。
ベースはアースカラーにする
部屋の内装やインテリアのベースは、アースカラーにすると和モダンらしさが引き立ちます。
アースカラーとは、もともと自然界に存在する色のこと。畳のい草や竹、お茶の緑、土の黄土色、緑や茶色、ベージュ、山吹色などがベースカラーにあたります。
和室には、アースカラーがふんだんに使われていることから、ホテルや旅館に訪れた人の心を「ホッ」と癒します。
しかし、家具や雑貨などのインテリア全てをアースカラーのみでまとめると、和の印象が強くなりなり、モダンな雰囲気を感じられません。
そこで、えんじや紺色、日本の伝統色などが使われたソファーやベッド、照明をアクセントカラーとしてコーディネートしてみましょう。
ソファーなどの大きめ家具やインテリア雑貨の色味が差し色となり、和モダン和室をさらにセンスの良い部屋へとワンランクアップしてくれます。
モダンテイストの家具は背の低いタイプで揃える
和室をおしゃれな和モダン部屋にするコツ2つ目は、背の低いモダンな家具を揃えること。
背の高い棚やソファーは、部屋にいる人に圧迫感や窮屈な印象を与えます。
和室は、時間がゆったりと流れるような雰囲気やホッと一息付けるような空間が魅力。
和室の魅力を生かすためにも、日本人の古くからスタイルである床座に近い環境にするのがポイントです。
背丈の低いモダンテイストの家具は、和の雰囲気を壊さず現代的な雰囲気を醸し出します。
また、背の低い家具の配置は開放感を与えるため、お客様もゆったりとくつろげるでしょう。
自然素材で作られているモダンなインテリアがおすすめ
和室をおしゃれな和モダン部屋にするコツ3つ目は自然素材で作られたモダンなインテリアで統一する点。
畳や障子、襖を利用したコーディネート例は以下の通り。
・畳が見える大きさのラグや絨毯を敷く
・障子紙を白一色ではなく、カラー和紙を用いて、モダンかつオリジナリティを出す
・襖の柄を、麻の葉や石畳、北欧テイスト柄など粋で大胆なデザインに
また、籐(ラタン)や木材で作られたソファー、和紙照明、民芸家具のテーブルや椅子も趣があって魅力的。
自然素材でできたインテリアは、お客様を落ち着かせたり和ませたりしてくれるでしょう。
和の雰囲気と相性の良いデザインを選ぶ
和室をおしゃれな和モダン部屋にするコツ4つ目は、和室の雰囲気と相性の良いデザインインテリアを選ぶこと。
和室と相性が良いのは、シンプルな曲線や直線でデザインされた華美な装飾が施されていないインテリア。
昔ながらのちゃぶ台や長方形の大きな机、格子やつい立てなどが該当します。
どれもシンプルで華美な装飾がされていないインテリアばかり。
素朴なデザインだからこそ、和の雰囲気にマッチして、センスの良いモダン和室になります。
和モダン和室の雰囲気はインテリアのベースカラーによって変えられる
和モダン和室を作る際のコツとして、ベースの色をアースカラーにすると良いとお伝えしました。
アースカラーといっても、畳のい草(きくちば)のような黄土色や和紙照明の柔らかなオレンジ色のような色味、漆塗家具のようなブラウン、土間カラーの黒やグレーなど様々な種類の色があります。
そこで、アースカラーの色味を以下の4つのグループに分けて、色が与える影響やメリットについて、次章で詳しく解説していきます。
- ベージュやアイボリー
- ライトブラウン
- ダークブラウン
- 黒やグレー
和モダン和室のベースカラー1:ベージュやアイボリー
ベージュやアイボリーなどの優しい色味を基調にまとめると、自然な雰囲気の和モダン和室になります。イメージとしては、和紙照明の温かい灯りや畳のい草(きくちば)の色味です。
ベージュやアイボリーなどのナチュラルカラーでコーディネートされた和モダン和室は、柔らかい光が差し込んでいるような明るさが特徴。
訪れる人の心を癒し、安らぎを与えてくれます。
居心地が良いので、部屋でゆったりと過ごしたい人におすすめ。若い人から年齢を重ねた方まで年齢問わず、くつろいでもらえる部屋に仕上がります。
和モダン和室のベースカラー2:ライトブラウン
ライトブラウンを基調にまとめると、カジュアルな雰囲気を演出できます。
オーク材や日本のナラ材のような明るい色目の木材で作られたテーブルやソファー、ベッドなどが配置された和モダン部屋をイメージしていただくと、分かりやすいかもしれません。
ライトブラウン系の配色でまとめられた和モダン和室は、温かみがあり、アットホームな印象を与えます。
そのため、自分の家にいるかのようにのんびり過ごしてもらえるでしょう。
和モダン和室のベースカラー3:ダークブラウン
ダークブラウンで統一された和モダン和室は、ホテルや旅館を訪れた人に落ち着いた印象を与えます。
漆塗家具や民芸家具などのダークブラウンインテリアを見ると、ノスタルジックな気分になるという人も少なくないでしょう。
また、畳の上に敷くラグやベッドリネンをダークブラウンでコーディネートすれば、センスの良さが際立ちます。
和モダン和室のベースカラー4:黒やグレー
黒やグレーなどの色調でまとめられた和モダン和室は、粋で上品、高級感をあたえます。
黒やグレーはクールでシャープな印象のため、非日常を堪能したいお客様におすすめです。
しかし、黒やダークグレーの多い室内は、色味が暗くて重たい雰囲気になりがちのため、白やナチュラルブラウンなどの優しい色を取り入れてみましょう。
黒の濃い色、白の優しい色。
反対色のコントラストは、インテリアにメリハリを生みます。
同時に、落ち着いた雰囲気も醸し出すので、ホテルや旅館を訪れた人に、スタイリッシュな和モダン部屋で非日常かつ癒しを堪能してもらえます。
和室に取り入れやすいモダンテイスト
和室と相性のいいモダンインテリアが、以下の2つです。
- 北欧テイスト
- アンティーク調
どちらもモダンでおしゃれなインテリアのため、和の雰囲気と良く合い、和室に配置しやすい特徴があります。
比較的手に入りやすいインテリアなので、簡単にコーディネートできますよ。
北欧テイスト
和室に取り入れやすいモダンインテリアに、北欧テイストがあります。
北欧地域は、日照時間が短く、寒くて長い冬は室内で過ごす時間が多くなるため、温かみのある実用的な家具が好まれて使用されています。
また、長く使用しても飽きが来ないシンプルかつおしゃれなデザインも北欧インテリアの魅力。
華美な装飾がなく、温かみを感じられる北欧インテリアは、和室に取り入れやすいモダンインテリアと言えます。
アンティーク調
アンティークテイスト調のインテリアには、ロココ調やヴィクトリアン調といった西洋のインテリアと、明治時代中期から大正時代に作られたモダンテイストの家具があります。
- ロココ調、ヴィクトリアン調
ロココ調やヴィクトリアン調のようなアンティークインテリアも、和モダン部屋におすすめ。
ロココ調はフランス、ヴィクトリアン調はイギリスで発祥した美術様式で、丸みを帯びたシルエットや、リボンや貝殻、猫脚の装飾が特徴です。
ロココ調やヴィクトリアン調のインテリアは、18世紀頃に作られた趣ある伝統的インテリアのため、和室とも相性が良いです。
- 明治時代中期から大正時代に作られたモダンテイストの家具
明治時代中頃から大正時代に作られた日本の家具も、和室に合うモダンテイストのインテリアとして重宝します。
明治時代中期から大正時代に作られたインテリア家具は、西洋のデザインが取り入れられています。
また、歴史を感じられるため、和モダン和室にぴったりなのです。
和室におすすめ!おしゃれでセンスが良い和モダンインテリア
和室に合う、おしゃれでセンスの良いインテリアを紹介します。紹介するインテリアは、以下の6つ。
- 障子にカラー和紙
- 革やベロア生地で作られたソファー
- オレンジ色の和紙照明や年代物のシャンデリア
- モダンな雰囲気の絨毯やラグ
- シックなテーブルセンター
- おしゃれなアートパネル
どのインテリアも、簡単に取り入れられ、優しくて懐かしい雰囲気のアイテムばかり。
それでは、それぞれのインテリアについて詳しくみていきましょう。
和モダンインテリア①障子にカラー和紙
和室に取り入れやすい和モダンインテリアが、カラー和紙です。
障子は白一色が多いですが、朱色や紺色、山吹色、若草色などのカラー和紙を取り入れることで、モダンな雰囲気の障子に変わります。
以下の2点は、障子をよりおしゃれに見せるポイントです。
- 規則的にカラー和紙を貼る
- カラー和紙の色味、トーンを揃える
障子に日があたり、カラー和紙を通して入ってきた光はとても美しいく、柔らかい日差しに安らぎを感じるでしょう。
和モダンインテリア②革やベロア生地で作られたソファー
革やベロア生地で作られたソファーも和室に取り入れやすいモダン家具です。
とくに、アンティーク調の革やベルベッドやベロア生地などで作られたソファーは、どこかノスタルジックな気持ちになります。
歴史を感じるソファーと和モダンな雰囲気と相性が良く、センスが光るインテリアとして重宝するでしょう。
和モダンインテリア③オレンジ色の和紙照明や年代物のシャンデリア
和紙照明や年代物のシャンデリアも和モダン和室におすすめのインテリア。
和紙照明の柔らかくて温かい光に心が和んだり、間接照明やクラシカルなシャンデリアのような薄暗い灯りはホッとさせます。
和紙照明や年代物のシャンデリア、間接照明を使うと、昼間の和モダン和室とは違う空間を演出。
薄暗いオレンジ色の灯りが落ち着いた雰囲気を醸し、ホテルや旅館を訪れた人の心を優しく癒します。
和モダンインテリア④モダンな雰囲気の絨毯やラグ
モダンな雰囲気の絨毯やラグも粋な和モダン和室にぴったりです。
畳の上におしゃれなモダンラグや絨毯を敷くことで、畳の可視面積が少なくなり、モダンテイストとのバランスが取れるようになります。
例えば、ベースカラーにおすすめのアースカラーや、日本伝統の色味、紺色や小豆色、鶯色のラグや絨毯も畳にマッチしておすすめです。
腕に自信がある場合は、深紅やえんじ色などもおしゃれで素敵。
畳よりも小さめサイズで、通気性の良い素材で作られたラグや絨毯を選ぶのがポイントです。
和モダンインテリア⑤シックなテーブルセンター
テーブルセンターが1枚置いてあるだけで一気に和モダンな雰囲気になります。
テーブルセンターは、カラーバリエーションや柄の種類も豊富。
季節や室内の使用用途に合わせて、テーブルセンターを変えれば手軽に空間の印象を変えることが可能です。
出典:龍村美術織物
龍村美術織物では、正倉院宝物柄など、日本伝統柄を中心としたテーブルセンターを取り扱っています。
サイドテーブルや棚にテーブルセンターを用いて、室内に訪れた人に上質な雰囲気を提供してみてはいかがでしょうか。
和モダンインテリア⑥おしゃれなアートパネル
和モダン和室を一気におしゃれな空間として彩るのが、アートパネルです。
額に入った絵画を飾ってあるホテルや旅館が多い中、モダンテイストのアートパネルが飾られていたら、お客様の心に残ること間違いなし。
出典:龍村美術織物
龍村美術織物では、おしゃれなモダンアートパネルを取り扱っています。
上記画像の山吹色と橙、緑のアースカラーでまとめられた「彩季文(さいきもん)」は、豊穣の風景をイメージ。
その他、吉祥のシンボルである亀甲模様が描かれた「毘沙門亀甲文(びしゃもんきっこうもん)や、朱色とダイナミックな松葉が目を惹く「敷松葉(しきまつば)」などがあります。
どれも和モダン和室に飾ってあるだけで、高級感や温かみ、センスの良さを感じられるデザインです。
まとめ:和モダン部屋にコーディネートしお客様をもてなそう
和室を和モダンテイストの部屋にするコツは以下の4点。
- ベースはアースカラーにする
- モダンテイストの家具は背の低いタイプで揃える
- 自然素材で作られているモダンなインテリアがおすすめ
- 和の雰囲気と相性の良いデザインを選ぶ
部屋に用いる配色やインテリアは和モダン和室にするためのコツを押さえて配置すれば、おしゃれで居心地の良い空間を演出できるでしょう。
そして、日々の忙しさや疲れから解放しお客様の心や体を癒し、「また訪れたい。」と思われるような和モダン和室が実現できるでしょう。