今、和モダン部屋が人気のため、ホテルや旅館の洋室を和モダン部屋にしようと試みる人もいるのではないでしょうか。
和モダン洋室について何も知らなければ、上手にコーディネートするのは難しいもの。おしゃれな和モダン洋室を作るためには、和モダン洋室について詳しく知ることが大切です。
そこで今回は、下記の内容について詳しく解説します。
- 和モダン洋室の魅力
- センスの良い和モダン洋室の洋と和の比率
- 洋室を生かした和風インテリアとの組み合わせ方
- 洋風に合う和風インテリア家具や雑貨
和モダンホテルの魅力や和モダンインテリアを上手に使うポイントが分かれば、魅力的な和モダン洋室を作れるようになるでしょう。
ここがポイント!和モダン洋室の魅力5つ
和モダン洋室がお客様から人気で、「また来たい」と思われるのには理由があります。
それは、和モダン洋室がお客様にとって、とても居心地が良く、安心して過ごせる魅力的な客室だからです。
いったいどのような魅力なのか、和モダン洋室の魅力5つを詳しく解説します。
和モダン洋室の魅力①部屋全体の配色が考えられている
和モダン洋室は、部屋全体の配色が考えられています。
部屋の内装やインテリアの色味を同系色にすると、統一感ある部屋になります。とくに、アースカラーを中心にコーディネートするのがおすすめ。
アースカラーとは自然にある色のことで、畳に使われているい草や竹、お茶の緑、土の黄土色、緑や茶色、ベージュ、山吹色などです。
落ち着いた色味でまとめられた統一感ある部屋は、和モダン洋室を訪れたお客様の心や体を癒します。
また、日本の伝統色が施されたインテリア家具をコーディネートすれば、部屋の雰囲気がグレードアップ。
紺色やえんじなどの色が差し色となり、センスの良い和モダン洋室になりますよ。
和モダン洋室の魅力②背の低い家具で揃えると部屋全体が広く感じる
魅力的な和モダン洋室は、背の低い家具が配置されています。
背が高い家具が部屋にあると、圧迫感や恐怖感、窮屈な印象を受けがちです。
ホテルや旅館に訪れるお客様には、居心地が良く開放感ある部屋でくつろいで欲しいですよね。
そのため、和モダン部屋には、背の低い家具を設置して、お客様が開放感ある部屋で安心して過ごせるようにしているのです。
和モダン洋室の魅力③和素材で作られたインテリアを使用している
和素材で作られたインテリアは、見る人を魅了する美しさを持っています。
畳や障子など和素材のインテリアは、日本人になじみ深いというだけでなく、経年によって色を変え、美しさや温かみを増していきます。
米ぬかで研かれた板張りの廊下が年数を重ねるごとにつやを増していくのが良い例といえるでしょう。
味わい深い和素材で作られたインテリアがある部屋は、お客様を魅了するだけでなく、温かみと癒し、安心感を与えます。
和モダン洋室の魅力④デザインは日本伝統模様やシンプルな柄
洋室にある和モダンインテリアは、流行に左右されることのない日本に伝わる伝統模様やシンプルな柄ばかり。
風呂敷や着物などで日本伝統模様の麻の葉や市松模様、鹿の子文、唐草模様を見た記憶がある人もいるのではないでしょうか。
洋室のテイストに合う伝統模様のインテリアを用いれば、センスの良い和モダン洋室になります。
また、洋室に合うのは、華美な装飾が施されていないシンプル柄の和モダンテイストインテリア。
例えば、格子戸やちゃぶ台など素朴なデザインが多いですよね。
日本に伝わる伝統模様やシンプルな柄のインテリアをコーディネートすることで、印象的な和モダン洋室になります。
和モダン洋室の魅力⑤ゆったりとくつろげるようなレイアウト
お客様にとって、ゆったりとくつろげる和モダン洋室こそ最大の魅力ではないでしょうか。
非日常を堪能しつつ、安心して過ごせる空間でなければ、お客様に「また来たい」と思ってもらえません。
インテリアが所狭しと飾られている和モダン洋室は圧迫感を感じます。
厳選された和モダンインテリアだけを飾り、部屋全体が広く見えるようなレイアウトをしましょう。
もちろん、お客様の導線に配慮することも大切。
お客様が日頃の疲れを癒し、また頑張ろうと思えるような空間を提供できるよう、和モダンインテリアのレイアウトを念入りに検討しましょう。
洋室をシックな和モダン部屋にするなら和風インテリアをやや多めに
洋室を和モダンテイストにする場合は、和風インテリアをやや多めにコーディネートしましょう。
和モダン部屋とは、和の雰囲気と近代的なスタイルの良い部分を併せ持つ部屋のこと。
日本に伝わる「わび・さび」の豊かさや美しさに、西洋の実用的な身なりや生活様式を取りいれた、大正ロマンや明治ハイカラ時代をイメージすると分かりやすいかもしれません。
洋室から和モダン部屋にコーディネートする場合、フローリングや壁など洋な雰囲気が多い状態からコーディネートしていきます。
そのため、洋の雰囲気を減らしながら、和風インテリアを足していくとやりやすいでしょう。
比率としては、洋と和の割合が4:6や3:7にするぐらいのイメージがおすすめ。
やや和の雰囲気を多めにコーディネートすると、バランスの良い和モダン洋室になりますよ。
映える和モダン洋室の決め手はおしゃれインテリアとの組み合わせ
洋室を和モダン部屋にする際、「内装をリノベーションしないと、和モダン洋室ができないのでは?」と考える人もいるではないでしょうか。
しかし、インテリアとの組み合わせ方次第で、洋室の内装をそのままに和モダンな雰囲気にする方法があります。
ここでは、洋室のフローリング、壁、窓際と組み合わせやすい和モダンなインテリアについて解説していきます。
フローリング×縁なし畳(琉球畳)
縁なし畳は、その名の通り畳の縁があしらわれていない畳のこと。
七島い草で作られた琉球畳の縁なしバージョンが、縁なし畳の代表格的存在です。
琉球畳は、ベージュや緑、黄金色、黒、焦げ茶などカラーバリエーションが豊富。
紺色やグレーの畳でシックな雰囲気を演出したり、2色の畳を使って市松模様にしたりと工夫次第でデザイン性に富んだ和モダン部屋を構成できます。
フローリング部分に縁なし畳を敷くことで、これまでのフローリング部分が少なくなり、和モダンな雰囲気が醸し出せます。
壁×衝立
衝立は、パーテーションなどと呼ばれ、部屋の仕切りや目隠し目的で使われることが多いアイテムです。衝立には、
- 美しい絵画が描かれたタイプ
- 格子柄タイプ
- 簾戸で作られたタイプ
などがあります。どれも和を感じるものばかりなので、洋室のシンプルな壁に立てかけるだけで、和モダンな空間に変化するはずですよ。
窓際×すだれ調スクリーン・プリーツスクリーン
洋室の窓際におすすめの和モダンインテリアは、すだれ調スクリーンや、プリーツスクリーン。
プリーツスクリーンとは、カーテン代わりに使用するもので、ブラインドのような作りになっている窓用インテリアです。
すだれ調スクリーンは、日本に伝わるすだれをロールスクリーンに仕立てたアイテムで日光の強い日差しを遮り風を通します。
また、麻などの和織物や和紙で作られたプリーツスクリーンは、柔らかい光を取り込みます。
すだれ調スクリーンやプリーツスクリーンから差し込む優しい光や風が心地よく、訪れた人の心を和ませてくれることでしょう。
洋室と相性の良い和モダン家具
洋室にあるインテリア家具の中で存在感を発揮しているのが、ベッドやソファー、照明ではないでしょうか。
和モダン洋室にする際、始めに存在感ある洋風家具を洋室と相性の良い和モダン家具にすると、部屋の印象を大きく変えられます。
そこで、どのような和モダンテイストのベッドやソファー、照明が洋室と相性が良いのか、詳しく解説していきます。
和モダン家具①ベッド
洋室と相性の良い和モダン家具にロータイプのベッドがあります。
ベッドは、洋風インテリアのイメージですが、日本の床座スタイルに近いベッドを設置すれば、和モダンな雰囲気を醸し出すことが可能です。
畳や床に座ったり布団を敷いて寝たりと、床に近い所で生活することが根付いている日本人にとって、床からあまり高さを感じられないローベッドなら違和感なく和の雰囲気を感じてくれるはず。
ローベッドの場合、一般的なベッドのような高さがないため、部屋が開けているように感じられます。
また、ローベッドに寝転んだときの感覚が、畳に布団を敷いたときの感覚と似ているため、安心できるという人も多いそうですよ。
和モダン家具②ソファー
洋室と相性が良い和モダンソファーは ベルベッドやベロア生地で作られたタイプのローソファー。
背もたれ部分の背丈が高いハイバックソファーは、圧迫感があり、部屋を狭く感じさせます。反対にローソファーは開放感があることから、お客様がゆったりとくつろげます。
また、ソファーの生地ですが、ベルベッドやベロア生地がおすすめ。肌触りが良く温かみがあり、どことなく歴史を感じるようなテイストも和モダンな雰囲気にピッタリです。
とくに、えんじや紺色など日本的な色味のソファーにすることで、和の雰囲気がより引き立つでしょう。
和モダン家具③照明
洋室に設置されている照明も、おしゃれな和モダン照明に変えられます。
洋室に付いている照明のカバーを、日本由来の自然素材や和紙などを使用して作られた照明カバーに交換してみましょう。
カバーを変えるだけで、洋室の雰囲気がグッと和モダンな雰囲気に変わるはずです。
また、部屋の隅やベッド脇に間接照明や和紙照明を設置するだけでも、部屋の印象を和に近づけることができます。
このとき、気を付けたいのは照明の色です。
日本人になじみ深いのは、灯籠や提灯の柔らかいオレンジ色の灯り。
そのため、間接照明や和紙照明の灯りも、灯籠や提灯の灯りの色に近い電球色を用いることが大切です。
照明の柔らかい灯りに懐かしさや温かさを感じ、和モダン洋室でのひとときを安心して過ごしていただけることでしょう。
洋室にマッチする和モダンインテリア雑貨5つ
洋室を和モダンテイストにするときに、おすすめなのが和モダンインテリア雑貨です。
和モダンインテリアは、和室だけでなく、洋室にも合わせられる優れたアイテム。
和モダンインテリア雑貨を飾れば、それまでの洋室の雰囲気をガラッと変えることができます。
ここでは、おしゃれでコーディネートしやすい和モダンインテリア雑貨を5つ紹介します。
和モダンインテリア雑貨:テーブルセンター
テーブルセンターは、テーブルの中央にかける布です。
ホテルや旅館の客室にあるテーブルにセットすれば、和モダンな雰囲気を醸し出せます。色やデザインによって、雰囲気も変わります。季節やイベントに合わせたテーブルセンターを飾ると風情があり、お客様の心に残るでしょう。
出典:龍村美術織物
龍村美術織物では、花瓶敷に丁度良い小さめのサイズから、4~6人掛けのダイニングテーブルに合う大きめのサイズまで揃っています。
正倉院宝物柄である伝統的な模様やインドのペイズリー柄など、デザインも豊富。
また、オーダーメイドが可能なので、ホテルや旅館の施設ロゴやデザインなどをテーブルセンターにできますよ。
和モダンインテリア雑貨:タペストリー
シンプルな洋室の壁は、どことなく少し淋しい感じがしますよね。
シンプルできれいな壁は清潔感がありますが、温かみが感じられず冷たい印象を持つ人もいるかもしれません。
そんな壁面には、タペストリーがおすすめ。タペストリーには、大胆な大柄模様や北欧テイストの柄や編物で作られたタイプなど種類もサイズも豊富です。
和モダン部屋の雰囲気やベースカラー、飾りたい場所に合わせたタペストリーを選んで華やかな空間を演出してくださいね。
和モダンインテリア雑貨:和小物
洋室にも違和感なく合わせられるのが、和小物です。選ぶ和小物によって、部屋の雰囲気をかえられるもの、和小物の魅力。
上手にコーディネートしたいときは、部屋の色調や雰囲気に合う和小物を選ぶと良いでしょう。
色鮮やかな手まりや干支をモチーフにした小物などが飾ってあったら、かわいらしくてほっこりしますよね。
出展:龍村美術織物
龍村美術織物では、干支の置物を販売しています。2022年の干支は寅で、干支『寅』の木目込み人形、マスコット人形があります。
そのかわいらしさについ手に取ってしまいたくなるほど。干支の置物は、和モダン洋室に合うだけでなく、縁起の良いアイテムとして評判です。
和モダンインテリア雑貨:和を感じる花器と植物
和を感じる花器や植物も、洋室に合います。中には、洋室に和花器や和植物がイメージできないという人もいるかもしれませんが、意外にもしっくりくるのです。
洋室には、一輪挿し、個性的なデザインの花器がおすすめ。
信楽焼や越前焼などの日本六古釜で焼かれた陶器のようなデザインは、個性的で目を惹きます。夏場には、ガラス素材でできた花器も涼しげです。
花器単品で飾っても様になりますが、花を生けることで和モダン部屋がより華やかになります。花を見るだけでなく香りも楽しめます。
季節毎に桜や蝋梅のような花やピラカンサス、南天のような実が付く植物も風情があって、和モダン洋室にピッタリです。
和モダンインテリア雑貨:アートパネル
和モダンアートパネルは、飾るだけで洋室が一気におしゃれな空間へと変化します。
シンプルな和モダン洋室を作るときは、複数の和モダンインテリア雑貨を揃えなくても、アートパネルがあれば大丈夫。
アートパネルには、それだけ人を惹きつける魅力があるのです。
アートパネルの種類には、プラスチック製やガラス製、織物が施されたタイプなどがあります。
中でも織物が施されたアートパネルは、温かみがあるので、ホテルや旅館を訪れたお客様に安心感や安らぎを提供できるでしょう。
出展:龍村美術織物
龍村美術織物では、和モダンアートパネルを販売中。
龍村美術織物が取り扱うアートパネルは、毘沙門亀甲文(びしゃもんきっこうもん)のような伝統文様、法隆寺に伝わる伝統模様獅子狩文錦(ししかりもんにしき)、インド発祥ペイズリー柄などが施されています。
どれも高級感があり、モダンな雰囲気や非日常を作り出します。
おしゃれインテリアを上手に使って和モダン洋室をめざそう
今回は、和モダン洋室の魅力や洋室に合う和モダンインテリア家具・雑貨などを紹介しました。
選ぶ和モダンインテリアやコーディネートの仕方によって、部屋の雰囲気は大きく異なります。
ホテルや旅館を訪れたお客様が、日々の喧噪から離れ、心や体を癒せるような魅力ある和モダン洋室をめざしていきましょう。