「ホテルの洋室を和モダンに変更したい…」
「和モダンな客室に合う家具やアイテムがわからない」
ホテルの客室を和モダンに変更する場合、実はすでにある洋室でも工夫を加えさえすれば、和モダンの雰囲気作りは決して難しくありません。
今回は、洋室の客室を和モダンに様変わりする方法や、インテリアの実例、おすすめのアイテムをご紹介します。
和モダンなホテルの魅力
和モダンなホテルは、通常の洋室とは違った魅力があります。
和モダンの客室に変更するのなら、次の魅力を把握したうえでインテリアを考えていきましょう。
シニアの方でも快適に過ごせる
和モダンはシニアの方でもなじみが深い和の要素があるため、快適に過ごしていただける点が魅力です。
和モダンとは、現代的なインテリアと和風の要素がバランス良く融合したデザインのこと。
日本古来の色味や素材を元にした家具や小物をモダンインテリアに組み合わせた、和と洋の良さの両方を体験できます。
和風の畳やローテーブルの組み合わせだけでなく、足腰に優しいソファなどを配置するため、シニアの方に優しくゆっくりとくつろげます。
もちろん、現代的な洋風の要素も入っているため、洋室で育ってきた若い世代の方でも快適な空間に。
1つの部屋の中に洋と和の良さをバランスよく組み合わせたからこそ、幅広いお客様に親しんでもらえます。
和風ならではの非日常なインテリアを楽しんでもらえる
和モダンは年々注目が集まっていますが、まだ客室に導入しているホテルは多くありません。
しかし、和モダンならではの詫び寂びを感じる風合いや、過ごしやすさは高い人気を誇っています。
和モダンの非日常感があるインテリアは、「旅行にやってきた」という感覚を強める効果も期待できます。
ホテルに泊まるからこそ、日常生活とは違った部屋でくつろぎたいと考えるお客様は少なくありません。
非日常を提供できる客室として、上質な和モダン空間は喜ばれるポイントです。
リラックス効果が高く落ち着ける
和モダンはデザイン性だけでなく、機能性も重視したインテリア。
畳の香りはリラックス効果があり、足をゆったりと伸ばしたり気軽に寝転べたりする環境が、お客様の心を深く癒します。
和モダンはインテリアそのものがシンプルで直線的のため、スタイリッシュで落ち着きがあります。
直線的な格子柄を取り入れた扉や棚、ロータイプの家具を配置していて圧迫感がありません。
和の落ち着きあるテイストに、天井が広々とした空間はリラックス効果が高く、快適に過ごせる客室として人気です。
ホテルの和モダンインテリアの特徴3つ
ホテルの和モダンな客室には、3つのインテリアの特徴があります。
お客様に親しんでもらえる和モダンインテリアを作るため、知っておきたい3つのポイントを見ていきましょう。
自然素材の家具を導入している
和モダンは自然由来の木々や竹などの素材を使った、和風家具を使用しています。
和風家具は背が低く、格子などの彫刻を施した和風箪笥や棚などが代表的。
また、竹を使った小物入れや敷物など、和を感じる家具で、洋風のインテリアにはない雰囲気が楽しめます。
木のぬくもりや香りを大切にしており、ヒノキの床や太い原木の杉や松を使った頑丈で重厚感のある家具も人気。
和風家具ならではの香りや、木々の風合いはお客様の心を癒して、非日常感を体験してもらえます。
フローリングと畳の両方を活用している
和モダンは畳とフローリングの両方に対応しているインテリアです。
洋室を和モダンにする場合は、全て畳に張り替えずとも和風家具を取り入れれば、和モダンらしい雰囲気に変えられます。
あくまでも既存の部屋の良さを活かしつつ、和と洋のバランスの良さを感じられる部屋が和モダンインテリアの特徴。
和風すぎず、洋風になりすぎない絶妙なバランスのインテリアは、古さの中に新しさが生まれる現代的な客室になります。
日本人にとって馴染みが深い和風の要素は、現代的でスタイリッシュなモダンインテリアに、のんびりと過ごせる快適さと落ち着きが感じられるもの。
老舗の旅館といったテイストも素敵ですが、おしゃれで機能的な客室は幅広い年齢層に喜ばれるポイントです。
ぬくもりのある間接照明を設置している
和モダンは上手に間接照明を取り入れて、おしゃれなインテリアを演出しています。
日本では古くから提灯や灯篭を活用して、夜に明かりを灯していました。
和モダンは日本ならではの温かみのある、さり気ない照明を飾るとさらに上質なインテリアに仕上げられます。
たとえば格子の装飾を施した灯篭や、和紙を使った壁掛けタイプの提灯が代表的。
ほかにも、あえてセンターライトを昭和レトロな吊り下げ式にしてみましょう。
モダンのシンプルな照明とは違った、装飾を施した存在感ある照明が和モダンインテリアに華を添えるポイントになります。
洋室を和モダンに変える5つの方法
洋室の客室を和モダンにするには、意識して変えたいポイントがいくつかあります。
洋室から和モダンテイストに変えるための5つの方法をご紹介します。
置き畳で床の間を作る
フローリングの部屋を和風にするため、まずは置き畳を設置しましょう。
置き畳はフローリングの上に並べるだけで、和風の床に変えられるアイテムです。
たとえば畳を3~4畳分並べれば、洋室の中に和風の空間が生まれます。
おしゃれな和モダンのインテリアには、正方形の琉球畳も人気。
フローリング全体に畳を敷き詰める方法もあれば、部屋の一画だけを畳にするだけでも、部屋全体の印象が変わるため、理想のインテリアに合わせて畳の比率を変えましょう。
窓のカーテンを障子に変更する
窓にあるカーテンを障子に変えるだけで、部屋の雰囲気が和風に変わります。
カーテンとフローリングは洋風のテイストが強くなるため、フローリングを残す場合は建具を和に変える方法がおすすめです。
障子を設置するスペースがなければ、すだれなど和を感じるアイテムに変更しましょう。
障子の木枠も昔ながらの彫刻を施した美しいデザインは、客室にふさわしい品格が生まれます。
扉や衝立に昔ながらの格子デザインを選ぶ
扉や衝立など、壁面で視線が集まりやすい場所を和風にすると、洋室でも和モダンのテイストに仕上がります。
扉を引き戸に変えたり、和風の装飾や彫刻をあしらっているデザインに変えたりしましょう。
また、家具の1つとして和風の衝立や屏風を飾って和風の要素を足すアレンジもおすすめです。
屏風や和風の衝立は、部屋全体に高級感が生まれるメリットも。
既存のインテリアに和のアイテムを足すだけでできるため、今すぐ建具や部屋全体のリフォームが難しい場合や、低予算で和の雰囲気をプラスしたい方にも適しています。
ローテーブルやローソファを導入する
和モダンインテリアの基本は、低座の家具を配置して天井にゆとりを持たせること。
そもそも日本家屋では、古くからちゃぶ台に座布団という床に近い生活を続けてきました。
和モダンはソファやテーブルなどの洋風家具を取り入れつつも、和の生活の雰囲気を残すことを意識しましょう。
ローソファやちゃぶ台などのローテーブルに変えるだけでも、洋室から和モダンの客室に変わります。
また、たんすや棚なども成人の身長よりも低い、横長タイプがおすすめです。
ベランダや外に竹などの和の植物を置く
落ち着きのある和モダンの客室には、和の植物を置きましょう。
竹などの和の植物があれば、外の景色を見た時も和の雰囲気が感じられます。
本物の竹でなくとも、装飾の一部として竹の飾りをベランダや入口に置いておくだけでも、植物ならではの温かみと和のテイストが生まれます。
客室内に和風の花瓶を飾るだけでなく、存在感のある植物を周囲に飾ってワンランク上の和モダン空間を目指してみてはいかがでしょうか。
ホテルの和モダンインテリアの実例3つ
和モダンインテリアに悩んだら、実際の例を参考にするとアイデアやイメージが湧きやすくなります。
和モダンを上手に取り入れた、ホテルの客室の実例をご紹介します。
フローリングに低身長な家具を配置した和洋折衷インテリア
洋室のフローリングに、低身長な家具を配置したモダンテイストが強いインテリアです。
和モダンはフローリングをベースにしたインテリアも人気。
フローリングに、和風家具や障子、格子の棚やパーテーションなどを飾って、程良く和風にアレンジしましょう。
フローリングでもロータイプの家具を中心にすると、昭和テイストの和風インテリアに仕上がります。
客室のベッドもロータイプを選ぶと、さらに和モダンらしい雰囲気に。
低いベッドは腰掛けやすく、万が一転落してもケガをする心配がありません。
小さなお子様がいるご家族での利用も、ベッドの高さを気にせず快適に過ごしてもらえるメリットがあります。
玉砂利を配置したハイセンスな和モダンインテリア
客室の入口などに玉砂利を設置した、ハイセンスな和モダンインテリアです。
玉砂利があるだけで、高級感のある客室に早変わりします。
既存の客室に玉砂利を敷くだけなので手間も少なく、気軽に高級感をプラスしたい方におすすめのアレンジ。
玉砂利と相性が良い竹を添えたり、竹素材の建具や家具を配置するスタイルもおしゃれです。
玉砂利は色によっても部屋の印象が変わるため、理想の雰囲気に合わせて選びましょう。
たとえば黒だと重厚なモダンテイストになり、白だとさわやかで現代的な雰囲気が生まれます。
白と黒を基調としたおしゃれな和モダンインテリア
白と黒をメインにした、モノクロの和モダンインテリアは洋室を活かせるデザインです。
フローリングに白や黒のカーペットやじゅうたんを敷き、ロータイプの家具も同系色でまとめましょう。
和風のデザインはモノクロと相性が良いため、和のテイストを足すために和風小物を並べることがポイント。
洋室を基調とした和モダンインテリアになるため、畳よりもフローリングを重視した客室を作りたい方におすすめです。
ホテルの和モダンインテリアに似合うアイテム3選
ホテルに似合う和モダンなアイテムは、品質と流行に左右されないデザイン性が求められます。
そこで、ホテルにふさわしい和モダンインテリアに似合うアイテムを3つご紹介します。
小物や展示するアイテムにこだわれば、さらに客室の品格を高められるため、じっくりと選びましょう。
扇子
出典:龍村美術織物
扇子は高級感がある和風アイテムとして、世界的に人気があります。
直接身に着けるイメージがありますが、ゴージャスな模様をあしらった扇子は広げて展示すれば美術品になります。
扇子の魅力はさまざまな素材やデザインがあるため、季節や部屋の雰囲気に合わせて気軽に展示品を変えられること。
夏場は薄手の素材を使った、透け感がある夏扇子を飾りましょう。
扇子は夏だけでなく、冬に飾っていてもおしゃれなインテリアになるアイテムです。
冬のモチーフである椿や松などが描かれた、繊細なデザインは和モダンインテリアのワンポイントとして活躍します。
花瓶敷
出典:龍村美術織物
テーブルや棚の上を彩る花瓶敷は、和モダンの格を上げるアイテム。
花瓶敷は花瓶や香炉、小物の下に敷くための敷物で、繊細な模様が描かれています。
糸を複雑に織り込んで作る花瓶敷はさり気ないアイテムながら、飾る花瓶をさらに魅力的に見せてくれます。
龍村美術織物では、さまざまな模様をあしらった花瓶敷を販売中。
繊細な糸使いが映える敷物は、20cm前後の小ぶりなサイズのため、客室にさり気なく彩を加えられます。
アートパネル
出典:龍村美術織物
アートパネルは壁面に和のテイストを加えられる壁面装飾アイテムです。
作品をガラスなどで覆わないため、パネルの近くで織物の立体感をじっくりと楽しめます。
アートパネルは日本古来の縁起が良い紋様をあしらったものから、カラフルで部屋の主役になるデザインまで豊富。
フローリングを基調とした客室でも、和風のアートパネルが一枚飾ってあるだけで和の要素が強くなります。
龍村美術織物では、ホテルの品格にふさわしいアートパネルを取り扱っています。
オーダーメイドもあるため、客室の広さや希望に応じた唯一無二のアートパネルをお探しの方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
まとめ:フローリングでも和モダンなインテリアに変えられる
洋室でもひと工夫加えると、和風のテイストが入った和モダンインテリアに変わります。
和モダンならではの落ち着きと過ごしやすさは、お子様からシニアの方まで、快適な空間を約束します。
まずは部屋の一部に畳を敷いたり、和風家具に変えたりして、和モダンテイストに変えて見ましょう。
また、扉や窓に格子や障子を加えるなど、既存の洋室の一部を変えて、部屋全体に和風の要素を強めたインテリアも人気です。
お客様にとって極上のステイになるよう、オリジナルの和モダン客室を作っていきましょう。