日本に古くから伝わる和室は、私たち日本人にとって安らぎの空間です。
そんな和室の内装を変えて、より快適にもっとおしゃれにしませんか?
とはいえ、初めて内装する方は不安や疑問もありますよね。
「内装を変えるって具体的にどうするの?」
「内装リフォームにかかる費用は?」
「雰囲気づくりのコツはある?」
このような疑問に対し、3大リフォーム箇所の観点から、具体的な方法や価格を紹介します。
- 和室ならではの内装一覧
- 素材やデザインの種類
- 選び方のポイント
- 費用相場
これらを押さえて素敵な和室に仕上げてください。
和室の内装一覧
洋風の生活様式が浸透している現代ですが、まずは和室の特徴を押さえましょう。
昨今のマンションや戸建てによくある和室の内装はこちら。
- 畳
- 襖(ふすま)
- 障子
- 敷居と鴨居
- 押し入れ
畳や襖など馴染みのあるものが多いですね。
一般的に和室といえば、これらの内装は備え付けられているでしょう。
これらに加えて、こだわりの注文住宅や昔ながらの一軒家によくある和室の内装はこちら。
- 床の間
- 違い棚
- 床柱
- 天袋
- 欄間
床の間や違い棚などは、祖父母の家で見たことがある方も多いかもしれません。
客間の一角に作られ、お客様をもてなすための座敷飾りです。
欄間とは、襖や障子の上に装飾をほどこした板をはめ、和室と和室をゆるやかに仕切る役割があります。
なかなか現代の住宅には見られなくなりましたが、旅館や寺社仏閣などでは今でもよく見かけます。
3大リフォーム箇所①和室を囲む【壁】
和室をぐるりと囲む、壁。
四方にある壁は面積が広いので、和室の印象を大きく左右する要素のひとつです。
和室の壁に使う素材
昔ながらの土壁や砂壁も温かみがあって素敵ですが、経年劣化でボロボロと砂や土がこぼれ落ちてきてしまいます。
そこでリフォームするなら、次の3つから選ぶことをおすすめします。
- 漆喰
- 珪藻土
- 壁紙クロス
漆喰とは、貝殻やサンゴ礁の石灰石から作られた塗り壁材です。
自然素材なので敏感な人にもやさしく、シックハウス症候群対策にも有効です。また不燃性なので燃えにくく、安全も守ってくれる壁といえます。
珪藻土とは、植物プランクトンが化石化したものです。
無数の小さな穴があるため、吸湿放湿といった湿度を適切に保つ能力が優れています。
壁紙クロスは、価格やデザインの幅が広いため、多くの人のニーズに応えられます。
それぞれの素材のメリット&デメリットまとめはこちら。
メリット | デメリット | |
漆喰 | 体にやさしい・燃えにくい | ひび割れの可能性あり |
珪藻土 | 調湿効果・消臭効果が高い | 水シミができやすい |
壁紙クロス | 安価・デザイン豊富 | やぶれやすい |
壁紙クロスの選び方
近年は安価で使い勝手のよい壁紙クロスが人気なので、ここでは壁紙クロスの選び方を紹介します。
一口に壁紙クロスといっても、和紙・ビニール・布など素材もさまざまです。
和室の使い方や希望する雰囲気などによって、合う素材を考えてみましょう。
例えば…
- 客間として使うなら、見た目に美しく高級感のある和紙の壁紙クロス。
- 寝室として使うなら、高い機能性を備えた珪藻土壁紙。
- ナチュラルな雰囲気にしたいなら、織り目が美しい織物壁紙。
- とにかく安価にしたいなら、ビニールの壁紙クロス。
珪藻土壁紙とは珪藻土を配合した壁紙のことです。珪藻土の塗り壁よりは劣りますが、吸湿効果や消臭効果が得られます。
また、麻や絹などを使った織物を紙で裏打ちした織物クロスもあります。たて糸やよこ糸の風合いが美しく安らぎを与えてくれるでしょう。
壁紙クロスは紙だけでなくいろいろな素材を使っているので、幅広い風合いや雰囲気を楽しめますよ。
壁紙クロスの費用相場はどれくらい?
壁紙クロスの素材別費用相場はこちら。
1㎡あたりの費用相場(施工費込) | |
和紙 | 1,500円~ |
珪藻土壁紙 | 1,200~1,500円程度 |
織物壁紙 | 化繊1,500円~・不織布2,500円~・絹10,000円~ |
ビニール壁紙 | 500円~ |
素材によって差がありますね。特に絹織物だとかなり高額です。
3大リフォーム箇所②和室空間を決める【天井】
普段あまり意識することが少ない天井ですが、和室空間を決める重要な要素なのです。
和室ならではの天井構造
和室には和室ならではの天井の構造があるので、押さえておきましょう。
- 格天井
- 竿縁天井
- 目透かし天井
- 網代
- イナゴ天井 …など
格天井とは、釘を使わずに木材を格子状に組み、その上に天井板を張った天井構造です。
最も格式の高い天井の作りで、神社・仏閣や格式の高い旅館などでよく見られます。住宅でも玄関やこだわった和室に使われることもあります。
竿縁天井とは、竿のような細長い木材を並行に数本並べ、その上に天井板を張った天井構造です。
目透かし天井とは、天井板と天井板の間に少し隙間を作って天井に張った天井構造です。
隙間が平行に数本並んでいるので、すっきりと落ち着いた印象になります。
思い切って天井構造そのものをリフォームすると、味わい深い和室になるでしょう。
より手軽な和室天井リフォームの方法
「大がかりなのはちょっと…。」
「純和風よりもおしゃれな和室にしたい。」
このような方には、クロスリフォームか塗装リフォームをおすすめします。
クロスリフォームは壁紙クロスと同様に、さまざまな素材のクロスを選んで天井に貼ります。
狭い和室天井にはアイボリーやホワイトなどの膨張色を持ってくると、空間が広く見えるのでおすすめです。
ただし、天井と壁ともに膨張色だとかえってぼやけた印象になってしまいます。
その場合は天井に紺色や深緑などの濃いアクセントカラーを使うと、空間が引き締まりますよ。
塗装リフォームは、ペンキなどの塗料を天井に塗ります。
クロスにはないマット感が人気で、おしゃれ和室にしたいならぴったりでしょう。また、クロスと比べて施工も簡単なのでDIYで行う人も多いです。
費用相場はどれくらい?
天井リフォームの費用相場はこちら。
費用相場 | |
格子天井へのリフォーム | 16畳 300,000~400,000円程度 |
竿縁天井へのリフォーム | 6畳 80,000円~ |
目透かし天井へのリフォーム | 8畳 85,000円~ |
塗装リフォーム | 1,200円~/㎡ |
クロスリフォーム | 900円~/㎡ |
ただし、選んだ素材や修理・下準備の有無によって、価格は変動します。
上記はあくまで目安として、実際の費用は見積もりを出してもらってください。
3大リフォーム箇所③和室の内装といえば【畳】
和室といえば、畳の肌触りやイグサの香りを思い出す人も多いことでしょう。
私たち日本人に馴染みのある畳は、和室の内装において重要な役割を果たします。
さまざまな種類の畳
定番の畳といえば、長方形に縁がついているものですよね。
しかし今では、畳のバリエーションもたくさんあるのです。
畳に使われる素材は下記の通り。
- 国産イグサ
- 中国産イグサ
- 和紙
- 樹脂
- ポリプロピレン
畳のさまざまなデザインは下記の通り。
- 琉球畳
- カラー畳
- 置き畳
- マットレス畳
ひと昔前とは違って、迷ってしまうほど本当にさまざまな素材やデザインがあります。
畳の選び方
次に、あなたの和室の使い方や希望に合った畳の選び方を解説します。
品質重視なら国産イグサ
イグサは、クッション性にすぐれ足腰にやさしいので、お年寄りやお子さんがいる家庭には特にぴったりでしょう。
また、ムラや変色がないので見た目にも美しく、肌触りや香りも良いのでリラックス空間にも適しています。
中国産のイグサは、国産イグサよりもクッション性と耐久性ともに劣ります。
ただし、安価なので賃貸住宅を中心に近年人気です。
機能性重視なら和紙・樹脂・プロピレン
和紙・樹脂・ポリプロピレンなどの畳は、ダニやカビはほとんど発生しないので湿気の多い部屋に最適です。
また、撥水・防水加工がしてあるものは、水拭き可能でお手入れが簡単です。
小さいお子さんがお茶やジュースをこぼしても安心ですね。
おしゃれ重視ならデザイン畳
デザイン畳の中でも特に人気を誇っているのが、琉球畳です。
縁のない正方形の畳を交互に敷いて市松模様のように見えて上品なおしゃれ感があります。
カラー畳は、50種類以上のカラーバリエーションを揃えている業者もあり、希望するイメージに合った和室を実現できるでしょう。
薄桜色や若草色など伝統色を貴重としているので、カラーといっても落ち着く色合いが多いです。
洋室に畳を取り入れたいなら置き畳・マットレス畳
洋室に手軽な和室空間を作りたいなら、置き畳やマットレス畳をおすすめします。
畳より薄くて軽いですが、クッション性はきちんとあるので安心してください。
折り畳めるタイプもあるのでコンパクトに出し入れできるのも、手軽で嬉しいポイントです。
費用相場はどれくらい?
畳リフォームの費用相場はこちら。
費用相場 | |
国産イグサ | 表替え 10,000~20,000円/畳 |
中国産イグサ | 表替え 6,000~9,000円/畳 |
琉球畳 | 新床 12,000円~/畳 |
カラー畳 | 表替え10,000円~/畳 |
置き畳 | 4.5畳 30,000円 |
三つ折り置き畳 | 4.5畳 10,000円 |
畳の表面だけを変える表替えの費用相場を記載しました。
ただし、普通の畳から琉球畳に替える際は畳の板ごと新調する新床のが主流なので、新床の費用相場を記載しています。
和室の内装に合うインテリア雑貨
お好みの和室の内装が完成したら、ぜひインテリア雑貨にもこだわってください。
インテリア雑貨は、実際に見たり触ったりするとても身近なものです。お気に入りのインテリア雑貨を選べば、和室がより大好きな空間になるでしょう。
和室に合うインテリア雑貨におすすめなのは、龍村美術織物のテーブルセンターです。
上質なシルクと洗練されたデザインが、和室に上品なアクセントを加えます。
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まとめ:お好みの和室内装で特別な時間を
和室の内装のうち3大リフォーム箇所にポイントを絞って、和室の雰囲気をガラリと変えてみましょう。
3大リフォーム箇所とは【壁・天井・畳】でしたね。
今では素材やデザインの種類も豊富なので、昔ながらの和室もより快適で素敵な空間にできます。
お好みの和室内装で、日々の生活に特別な空間を取り入れてみてください。